A.D.ベッカム・シラー・ヴィオニエ ベッカム・エステート 2018年 アメリカ オレゴン 赤ワイン フルボディ 750ml
¥9,200 (税込)
ワイン名(原語) | アンフォラ・シラー・ヴィオニエ (AMPHORA SYRAH VIOGNIER) |
生産者(原語) | ベッカム・エステート (BECKHAM ESTATE) |
原産国・地域 | アメリカ合衆国、オレゴン州 |
原産地呼称 | AVA アップルゲート・ヴァレー |
ヴィンテージ | 2018年 |
ぶどう品種 | シラー83% ヴィオニエ17% |
タイプ | 赤ワイン |
内容量 | 750ml |
ご注意 | 開封後は要冷蔵の上お早めにお飲みください。 |
保存方法 | 要冷蔵 18℃以下 |
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説明
ベッカム・エステート
BECKHAM ESTATE
個性的な生産者が独立独歩の小規模ワイナリーを営み、多様なワインが生産される様子が、ドメーヌと呼ばれる家族経営の小規模生産者が多いブルゴーニュを想起させるためです。
ベッカム・エステートの歩み
ポートランドから車で南へ30分、シュヘイレム・マウンテンズへと続く曲がりくねった道の先に広がる美しいブドウ畑と、大自然の雄大なパノラマ。そこに、Andrewと、Annedria Beckham夫婦が長い時間をかけて、一つ一つ手作りで築き上げてきた、ベッカム・エステートがあります。 2004年、ベッカム夫婦は陶芸工房を建てるためにこの地へやってきました。 その地域の農業コミュニティと触れ合う中で、農業、とりわけワイン造りに惹かれるようになりました。偶然にも、ベッカムブドウ畑と、大自然の雄大なパノラマ。そこに、Andrewと、Annedria Beckham夫婦が長い時間をかけて、一つ一つ手作りで築き上げてきた、ベッカム・エステートがあります。
そして移住した翌2005年には、家の周囲に畑を切り開き、ブドウを植え始めます。その後畑を徐々に拡張していき、彼らの土地34エーカーのうち、およそ半分がブドウ畑と、ワイナリーの施設へと姿を変えました。ワイナリーにはテイスティングルームと、醸造施設があり、陶芸工房もあります。ベッカム・エステートでは、自分たちが世話するブドウを使って、エステート内で造られたテラコッタ製のアンフォラを使い発酵、熟成させています。世界でおそらく唯一の、設備からブドウまでハンドメイドにこだわるワイナリーです。
醸造家にして陶芸家 Andrew Becham
ブドウ栽培とワイン造りの世界に足を踏み入れた後は、彼は地元オレゴンで尊敬すべき醸造家を訪ね歩き、時に数年修行しながらワイン造りの技術を磨いていきました。そして、2009年に、初めて自身の畑のブドウを使い、ワインを造りました。
この時、彼は自分が造るアンフォラを使ってワインを造る、というアイディアを思いつきます。彼が長年情熱を傾けてきた陶芸と、新たな情熱の種となっていたワイン造りが結びつき、オレゴンだけでなく、世界でも非常に珍しいアンフォラ製造とワイン造りを行うワイナリーが誕生しました。
アンフォラとは紀元前15世紀ごろにレバノン~シリアの辺りで造られはじめ、その後他の地域へも普及した陶製の甕のことです。交易が盛んだったギリシャ・ローマ時代には、食料や、ワイン、オリーブオイルなどの輸送に使われていました。 しかし、ワイン生産の文脈で出てくるアンフォラとは、これらの運搬用の甕ではなく、現在世界遺産にもなっているジョージアの伝統的なワイン製造で使う「クヴェヴリ」と同等のものを指します。クヴェヴリの歴史はさらに古く、6000年にも及ぶ歴史を持つと言われています。
陶器の甕、アンフォラを使うことは、ワイン造りの上で多くのメリットがあります。アンフォラの素材自体が、微量の酸素を通す特徴を持つため、オーク樽熟成と近い微量の酸化熟成を行う効果をもたらします。加えて、オーク材の風味がワインへ影響をもたらす樽熟成と違い、アンフォラは素材自体がワインへ影響を与えません。つまり、ステンレスタンクでも、オーク樽でも作ることのできない味わいに仕上がります。また、独特の流線型のフォルムのおかげで、液体の自然な対流が生まれるため、バトナージュなどの醸造中の作業が抑えられ、ワインに負荷をかけることがありません。こういった魅力から、ワイン造りにアンフォラを使いたいと考える生産者はたくさんいますが、ステンレスタンクや樽よりも流通量が少ないため、取り入れられる生産者は限られています。 ベッカム・エステートでは、陶芸家でもあるベッカム自身がワイン造りに最適なアンフォラを、自身のワイナリーに必要な分だけ作っています。
ベッカムエステートの哲学
「素晴らしいワインは、優れたブドウからしか作られない」という格言に従い、優れた品質のブドウを収穫するために、ベッカム・エステートでは、ドライ・ファーミング※1 を設立当初から取り入れています。ドライ・ファーミングを行うためには、畑のことだけでなく、周囲の環境を知り、それを活用することや、ブドウの樹自体の力を高める必要があるので、ベッカムエステートの栽培は次第にバイオダイナミック農法を取り入れるようになりました。 月の運行に合わせた農作業を行い、畑の周囲に広がる自然、動物を受け入れ生物の多様性を損なわないブドウ畑の運営を行っています。
※1 ドライ・ファーミング
灌漑などで水を与えることをせず、自然の恵みだけで植物への水分供給を行う、地中海では数千年も続いている栽培方法です。ブドウやオリーブの栽培で特によく見られており、果実の凝縮度が高まることで、上質なワインやオリーブオイルが造られることが知られています。また、貴重な水資源を持続的に使うという効果もあります。
ベッカム・エステートのある土地の周囲には水が豊富で、畑の周囲には動植物が多く、その生態系を壊さないためにも、栽培環境に配慮する必要がありました。 例えば、肥料はブドウの搾りかすなどをコンポストにしたものしか使いません。2012年以降は、一切の科学的な薬剤は使用せず、病気が蔓延した時など、どうしても必要な時だけ、バイオダイナミック農法で認められている薬剤を使用するのみです。機械は、雑草を刈るときだけ使用しますが、それ以外は全て手作業で行っています。
ワイン造り
ワイン造りの基本的なアプローチは、ブドウがワインへ自発的に姿を変えていく様子を見守り、人の手をあまり介在させない、という手法です。時には誘導したり、環境を調整してあげる事はありますが、酵母は基本的に畑で果皮に付着した野生酵母のみ使い、酸化防止剤もぎりぎりの最低限の量しか使用しません。発酵に使う設備も、テラコッタとフレンチオークの大樽のみです。これらはオーク新樽のようなワインの風味へ与える影響が小さいため、ブドウのエレガンスや純粋な果実味など、ブドウ本来のポテンシャルを発揮させることができます。
ピノ・ノワールの銘醸地 オレゴン
カリフォルニア州の北にあるオレゴン州。アメリカでは生産量第三位を誇るワイン産地です。 オレゴンワインを代表するピノ・ノワールの主要産地産地ウィラメット・ヴァレーは、ポートランドからウィラメット河に沿った南北240㎞にわたるカスケード山脈西側に位置し、寒流の影響を受けた冷涼な気候が特徴です。
ウィラメット・ヴァレーは太平洋からわずか80キロの場所にあります。東にカスケード山脈、西に海岸山脈、北のワシントン州側にも山地が広がり、周囲を山に囲まれるように、南北250km、東西約100kmと南北に長い産地です。北はポートランドから南のユージンにかけて伸びており、付近を流れる寒流の影響を受けるため、年間を通して冷涼で湿潤な気候です。夏は雨が少なく乾燥していますが、ちょうど秋口から翌春にかけて雨が増えるため、収穫期の見極めがワイン造りの上で重要なポイントとなります。
土壌は、ジョリーと呼ばれる赤い玄武岩の火山性土壌、灰色をしたやや酸性寄りのウィラケンジー土壌(海底堆積土壌)、茶色い湖底床土質であるローレルウッド土壌という、3つのタイプを軸に、複雑に入り混じっています。一口にウィラメット・ヴァレーといっても、これらの土壌と気候の組み合わせで、多彩なワインが出来上がるのが魅力です。
この産地のワインは、総じて冷涼な気候を反映して生き生きとした酸を持ち、ミネラル感を伴う、繊細で複雑な味わいを表現します。
ワイン造り
ブドウは収穫後選果、その後徐梗します。ヴィオニエは部分的にプレスし、ジュースを取りますが、一部は別のワイン用にとりわけます。残ったジュースとヴィオニエの粒を、シラー種の入ったアンフォラへ入れ、二種類のブドウが混ざった状態で、野生酵母で発酵させます。アルコール発酵後、50%はそのままアンフォラで、残り50%はフレンチオーク樽に入れ10か月間熟成させます。 熟成後、両者を合わせて完成させます。
南フランス、ローヌの銘酒、コート・ロティでおなじみのブレンドです。