セール・シラー ヴィニャ・マーティー 2019年 チリ マイポ・ヴァレー 赤ワイン 750ml
¥8,500 (税込)
ワイン名(原語) | セール シラー (SER SYRAH) |
原産国・地域 | チリ・マイポヴァレー |
生産者 | ヴィニャ マーティ |
ヴィンテージ | 2019年 |
ぶどう品種(栽培比率) | シラー |
タイプ | 赤ワイン |
内容量 | 750ml |
ご注意 | 開封後は要冷蔵の上お早めにお飲みください。 |
保存方法 | 要冷蔵 18℃以下 |
特徴: ムートン、オーパス・ワン、そしてアルマヴィーヴァを造ってきた醸造家、パスカル・マーティ氏が立ち上げたワイナリー。 ボルドーのSylbain社製のフレンチオーク樽で熟成され、さらにボトルで安定するまでセラーで熟成されます。 マーティ氏第四のプレミアムワイン、クロ・デ・ファのセカンドワインです。 |
説明
セール・シラー ヴィニャ・マーティー 2019年 チリ マイポ・ヴァレー 赤ワイン 750ml
ムートン醸造家の最上級キュヴェ「クロ・デ・ファ」のセカンド!
SER
セール
SERシリーズは、醸造家パスカル・マーティ氏が、個々のブドウ品種に最も適したテロワールで栽培されたブドウを使い、単一品種ワインの最高峰として手掛けるワインです。
畑は大きく分けて二つの地域にあります。
一つは、名高いマイポ・ヴァレーの中でも標高の高いエリアに広がるアルト・マイポにあり、その中で最も素晴らしいテロワールと評されるD.O.ピルケです。ここにはカベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、シラーが植えられています。
もう一つは、彼がアルマヴィーヴァを手掛けた時代に発見し、チリでトップクラスのカルメネールを生む地と確信を抱くD.O.カチャポアル・ヴァレーの畑です。
ブドウ品種はそれぞれ適した地に植えられ最高のクオリティを発揮します。その果実から生み出されたワイン「SER」は、チリと言う枠を超え、個々のブドウ品種のもつパフォーマンスを最大限味わうことができる、珠玉のモノ・セパージュワインシリーズです。
SERという言葉は“存在”を意味する言葉です。単一品種100%で作るこのワインは、そのブドウ品種事体を語るかのように強い個性で飲む人に訴えかけてきます。
しかし、そのような表向きの意味以上に、パスカル・マーティ氏は、ヴィニャ・マーティで働くすべての人々へのオマージュを込めた言葉である、と語ります。
SERは“私”でもあり“あなた”でもあり、“彼・彼女”でもある動詞。
ワイン造りという、一見華やかに見える仕事の影には、マーティ氏はもちろん、多くの人々がブドウ畑に出て行う日々の基礎的な作業があります。
とりわけ、乾燥した気候で、絶えず土埃を抑える努力を要するチリでの労働は、ワインの出来不出来を左右する大切な要素です。
この作業無くして、ブドウがテロワールのポテンシャルを表現することは不可能ですし、そのテロワールを映した果実無くして、パスカル・マーティ氏は優れたワインを造ることはできません。 その年ごとの天候、土壌(テロワール)はワインの中でも重視される要素ですが、それと同じくらい大切な、“人”の存在、そんな思いを込め“SER”と名付けられました。
チリで有名なブドウ品種「カルメネール」は、このクロ・デ・ファの標高では作ることができません。代わりに、チリではやや難しいメルロが花開きました。収穫期が遅いカベルネは、雪が降る直前、6月の収穫ですが、ブドウの果実が樹についている期間が長いおかげで、果実には深い味わい、香りが蓄積され、高い品質になります。基本的な考え方は、ボルドースタイルのグラン・ヴァンを造るときと同じですが、唯一、異質なのが「シラー」の存在です。マーティ氏は、ボルドーAOCのルールの枠を超えて、自分のイメージを具現化することもチリを選んだ理由の一つです。
チリで最も成功した、高品質な赤ワインを生む場所、マイポ・ヴァレー。首都サンティアゴに近く、温暖な気候で岩石の多い土地が広がり、上質な赤ワイン、特にカベルネ・ソーヴィニョンが生み出されます。その中でも、岩石の堆積した独特の土壌を持つ、「アルト・マイポ」は、プレミアムワイン産地として非常に有名です。標高が高いため、このエリアのミクロクリマは非常に複雑です。陽が落ちるとアンデス山脈から吹き下ろす冷風が、畑の気温を一気に押し下げます。この昼夜の寒暖差のおかげで、ブドウの個性が際立ち、香と酸を与え、エレガントなワインを造る上で大きな恩恵をもたらします。
ボルドーで例えば、広域のボルドーの中にメドックがあり、さらに限定されたポイヤックがあるのと同じ形になります。パスカル・マーティ氏は、アルマヴィーヴァ造りの中でこの土壌を知りました。当時、ここはブドウ畑ではありませんでした。1999年、実験の意味も込めて、個人的プロジェクトとしてこの土地にブドウを植えました。6250本/haという密植度が高い状態で、この土地のポテンシャルを測りたいと考えたのです。収穫量はブドウの樹1本あたり1kg以下に必ず抑えます。
パスカル・マーティ氏は、何よりもこのピルケという場所のポテンシャル、テロワールを信じています。「チリにはテロワール、ヴィンテージの個性は存在しない、と言う人もいる。多くのワインは、確かに毎年美味しく、安定している。ボルドーのように、当たり年だから飲みたい、という声もあまり聞かない。 しかし、それは一つのワインを、広大な畑で大量に作ることで、標準化されているのが原因だと思う。個性がぼやけて、平均化されてしまうからだ。ある特徴的な土壌があって、その土地から収穫されたブドウだけでワインを造れば、テロワールはもちろん、ボルドーのようにヴィンテージの個性がしっかり感じられる。 例えばクロ・デ・ファのあるピルケは、小区画でチリでは標高がもっとも高い。昼夜の寒暖差が激しく、霧がよく発生する。表土は水はけが良い石灰質、地中は粘土質という土壌だ。この土地から生まれるワインの味わいのベースは変わらない。そして、その味に加えて、その年の気候によってワインの味わいは毎年変わる。」
カチャポアル・ヴァレーの東側は、アンデス山脈からもたらされた砂利や砂質の土壌で非常に水はけが良いのが特徴です。夏場は極度に乾燥するため、灌漑を行う生産者も多くいます。 対して、西側は肥沃なローム層となっており、粘土の層のおかげで夏でも適度に水分を供給する事ができるため、カルメネールの栽培に向いています。
粘土質土壌という点ではメルロにも適しているように思えますが、メルロにとっては、カチャポアル・ヴァレーの気温は高すぎます。半面、晩熟型のカルメネールにとっては、この暑さはまさに天恵で、おかげで果実は完熟し、ボリュームたっぷりで芳醇な味わいのワインに仕上がります。
ヴィニャ・マーティのカルメネールは、この西側エリアの畑のもので、畑の密植度も周囲より高いのが特徴です。(密植度があがると、一般的にブドウの凝縮度があがります) パスカル・マーティ氏は、アルマヴィーヴァを手掛けた際、チリのアイデンティティでもあるカルメネール種を使う事を考えました。そしてチリ国内のテロワールを調査した結果、当時ベストと判断されたのが、このカチャポアル・ヴァレーだったそうです。彼は、実際アルマヴィーヴァにはこのカチャポアル・ヴァレーのカルメネールを使っていた、と語っています。 (現在は、アルマヴィーヴァのカルメネールの産地に関しては公開されていません)
五大シャトー「ムートン」、カリフォルニアの「オーパス・ワン」の後に、チリを代表するプレミアムワインの「アルマヴィーヴァ」を手掛けた時、彼はチリの類まれなテロワールを知りました。しかし、現状の大規模生産では、そのポテンシャルを引き出すだけのワイン造りが出来ない事にも気づいていました。彼の胸の内には、自身のワイナリーを造りたいという思いが芽生えたのもこの頃です。
2003年、アルマヴィーヴァでの自身の役割を果たした、との思いから、彼は自身のワイナリー設立に向け、動き始めます。コンサルタントとして世界中を回りつつ、ワイナリー設立準備を進めました。
「あのムートン、オーパス・ワン、アルマヴィーヴァを手掛けたパスカル・マーティ氏が新ブランドを立ち上げる」
噂を耳にし、ワイン業界内外で彼の夢に共感した人が続出しました。例えば「ロード・オブ・ザ・リング」で有名な映画会社ニューライン・シネマ(現ワーナーグループ)のマイケル・リン氏や、元バロン・フィリップ・ロッチルド社の社長で、現在アメリカで輸入会社を経営するオリヴィエ・ルブレ氏もバックアップを申し出ました。
多くの人々の夢も乗せて、2008年、満を持してマーティ氏自らのワイナリー「ディオニソス・ワインズ」を設立。2013年、ヴィニャ・マーティと自身の名を冠したワイナリーへと変更、生涯をかけたプロジェクトとしての意気込みを表現するに至ります。
「パレットに赤の素材を並べたところを想像してください。赤、と一口にいっても、本当に多様な種類があるでしょう。ワインも同じです。同じ土壌は一つとしてありません。たとえカベルネ100%でも、この樽と、その隣の樽の味は異なるのです。様々な原酒を素材として、1本の作品として仕上げるのが醸造家の役割です。単一品種100%のワインが世界で流行していますが、たとえモノ・セパージュのワインであっても、そこに醸造家が関わらなければ決して優れたワインにはならないのです。」
ヴィニャ・マーティでは、それぞれの適地を見出した上でブドウ栽培を行います。カベルネならば水はけがよい土壌、メルロであれば冷涼な空気と粘土質土壌。 1997年からアルマヴィーヴァを手掛けるために、彼はまず徹底してチリの土壌調査を行いました。この経験があるからこそ、彼はチリのテロワールを最もよく知る人物の一人なのです。
チリの特徴に合わせた畑仕事ができるのも、マーティ氏ならではです。 ヴィニャ・マーティでは、それぞれの土地の特徴、つまりフランス語でいう「テロワール」にあわせて、ブドウ品種を栽培しています。フランスでは長い伝統の中で、自然にその土地に合うブドウが受け継がれてきました。対して、ブドウ栽培の歴史が浅いチリでは、人々は、好みだったり、商業的な意図に合わせ、思い思いにブドウ品種を選ぶ事が少なくありません。
残念ながら、土壌との相性を無視してしまうと良い結果を得ることはできない、という事は周知の事実です。つまり、チリでは、いまだその秀逸なポテンシャルを活かしきれていない部分が存在するのです。
ヴィニャ・マーティでは、チリのテロワールを深く理解するマーティ氏の知見に基づきブドウ栽培がおこなわれています。ワイン造りにおいても、各畑の個性を引き出すという点にこだわります。大きなタンクで大量生産するのではなく、畑ごと異なるタンク・樽でワインを造り、それを最終的にアッサンブラージュ(ブレンド)することで、バランスの取れた、上質なワインを造ります。